「ダイヤのA」担当編集者インタビュー 第6回
2013.10.27

「ダイヤのA」担当編集者インタビュー 第6回
大人気漫画「ダイヤのA」担当編集者である小見山さん、託摩さんへのインタビュー。最終回の今回は、「ダイヤのA」をもっと楽しむポイントを伺いました。隅から隅まで読み込んでいるぞ!という人も、まだまだこれから読んでみようかな、と思っている人も必見です!
―「ダイヤのA」をもっと楽しむポイントは?
小見山 :細かいですが、この漫画は「描き文字」が面白いですよ。吹き出しに入った写植じゃなくて、寺嶋先生が手書きで書いている文字のことです。選手のちょっとした呟きや、叫び声なんかが多いのですが、どれも遊び心に溢れていて、ユーモアたっぷりで笑えます。実は編集部内にも「ダイヤのAの描き文字ファン」が多数いますね(笑)
詫摩 :僕は、沢村のブルペン芸が好きです。さっきも話に出た、「バントはこう!こう!」とか。沢村、最近は先発もさせてもらっていますけど、基本的には中継ぎなのでブルペンにいることが多いんですよ。そこから、プレーしている選手に向かってウザいことを言うんです(笑)そのウザさを楽しんでほしいですね(笑)
小見山:それから、1巻から一気に読んでもらうとよく分かると思うんですが、とにかく主人公の沢村が成長しているんですよ。最初は敬語すらつかえなかったガキンチョが、だんだん上下関係がわかってくる。でもそれは丸くなったとかいうわけじゃなくて、野球部員として、1つの目的のために必要なものを仲間とか先輩から教わった結果なんですよね。沢村はこれからも、きっともっと成長していきますので、ぜひ注目していていほしいですね。
詫摩:サブキャラが人気出る漫画ってたくさんあると思うんです。僕らもさっき御幸が好き、倉持が好きって言いましたけど、でも「ダイヤのA」の場合、やっぱり1番は沢村なんです。田舎のクソガキが、強豪校の戦力になってくる。心身の成長とともに戦力として数えられてくる。お山の大将でしかなかった沢村が、御幸だったりクリスだったり「わかっている」先輩にひっぱりあげられる。そこに、ロマンがあるし、ドラマがありますよね。
―それでは、これから「ダイヤのA」を読む人に、ここを見て!というポイントはありますか?
詫摩 :全力で何かをすることのカッコよさですかね。青道って強豪校ですよね。だから、時に弱小校を叩き潰すことになるんです。そこに一切妥協はないんですよね。力を抜いたり、ちょっと加減をしたりしたら、それは同情になって、相手にとって失礼ですから。 一生懸命だから、叩き潰すような力が出せるんです。常にチーム内でも激しい戦いがあって、みんなが全力なんです。個人の力を磨いて、それがチームの力になる。チームワークは良いけど、決して仲良しこよしの仲間ではない。自分のことを磨き続けることが、チームが一丸になることにつながる。こういった筋肉質な感じが魅力だなと思います。(笑)
小見山:地味だけど好きなシーンがあるんですが、片岡監督たちが降谷や沢村の話をしている時に、太田部長が川上を指さして「あの子もすごいですよ!」って言うんです。「僕のオススメです」って。優しいな〜というか、太田部長って本当に良い顧問だなって思いました。えっと、何が言いたかったかと言うと・・・(笑)部活ものの漫画って、その部活に入りたくさせたら勝ちなんですね。たぶん「ダイヤのA」ファンの皆さんは、「青道野球部に入りたい」と思ってくださっているんじゃないかな。こんなに、良い仲間や顧問に恵まれてるチームはそうないですよね。
詫摩 :うん。イイよね。青道野球部に入ったら、絶対楽しいと思う!練習は鬼のようにきついだろうけど(笑)
―ずっと見ていたくなる、入ってみたくなる。そんな魅力が青道野球部にはあります。…確かに、練習はキツそうですけど…。「ダイヤのA」は、こんな青春を過ごせたらいいな、が詰まっている作品なんですね。
詫摩さん、小見山さんお忙しい中、貴重なお話ありがとうございました!